ゲイの一年 ~四季折々~

ゲイとしての今後の人生についてゆるーく考えていきたいと思います。

職場でカミングアウトしてみた

今朝、職場でカミングアウトしてみました。

といってもそんなに重苦しい雰囲気ではなく、割とフランクになんとなく言ってみたという感じです(笑)。

人として、ゲイとして、また一歩成長できたかなという出来事だったのでブログに残そうと思います。



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まず、カミングアウトしたタイミングについてですが、常勤職員が集まる職員会議の前の職員礼拝の時間を利用しました。

ぼくの職場はキリスト教の思想をベースとしている福祉系の法人を母体としているので、毎週職員会議の前には職員礼拝というものをします。具体的には聖書の一部を引用したものをみんなで一行ずつ輪読し、館長がその聖書の箇所にちなんだ話(奨励)をして、最後にみんなで讃美歌を歌うという簡単なものです。

職員礼拝では、月に一回、常勤職員が奨励を担当することになっています。10人ほどの常勤職員が奨励を持ち回りしているので奨励の順番が回ってくるのは年に一回なのですが、2月がちょうどぼくの順番だったのです。




奨励では、各職員が割と自由に話をしています。自分が仕事を始めるきっかけになった出来事について気軽に話している人もいれば、他の職員にも共有したいことを真面目に語る人もいます。




ぼくが奨励を利用してカミングアウトしてみてもいいんじゃないかと思った理由には2つあります。


まず1つめは、以前別の職員が話していた奨励の内容のインパクトが大きく、心に強く響くメッセージとなったので、自分もそういった話をしてもいいんじゃないかなと思ったからです。

その職員は50代の女性なのですが、普段は弱気を漏らすことも少なく、責任感強く残業も厭わず働いている方だなと感じていました。なんとなくの情報として、これまでシングルマザーとして子育てしてきて、今は娘さんと二人暮らしをしているんだなということは知っていたのですが、プライベートについて話したことはほとんどなかった状況です。
その方が奨励で話した内容はというと、昔結婚していた男性からDVを受けていて、娘にも危害を加えられそうだったから、母子シェルターなどを利用してなんとか逃げてきたという過去についてでした。その職員の苗字が実は本名ではないということをそのとき初めて知り、衝撃を受けたこともよく覚えています。

自身にそのような暗い過去があったにも関わらず、現在は他の家庭や子どもを支援するために働いているという事実に少なからぬ尊敬の念を抱きました。



もう1つの理由としては、ちょうど数日前に区が主催する人権研修を受講してきたということも大きなきっかけでした。

ぼくの勤務先は某区の施設の指定管理の下にある児童福祉施設なので、その区が主催した指定管理の職員を対象とした研修を受ける機会があるのですが、内容がまさに「セクシャリティの人権」を含んだものでした。
ぼくは今まで、公的な立場にある人がセクシャルマイノリティについて話すという場に顔を出したことがなかったので、今回の研修で「自分も安心して暮らせる時代が来るかもしれないな……!」という風になんとなく感じられました。

人権研修の感想を他の職員にシェアするという建前で、「実は自分もセクシャリティで、こういうことに困っていました」ということをついでみたいな体で話してみてもいんじゃないかと思いました。





そんなこんなで職員礼拝の場でカミングアウトすることを決意したのですが、一応問題点はあります。それは、聖書には同性愛について批判とも解釈できる文面が載っているということです。

ただ、これまで一年間働いてきた中で、ぼくがゲイだと言ったところで態度を悪くするような人はいないだろうと自分なりに判断したので、この機にぶっちゃけることにしました。
元々、いろいろな家庭の事情や子どもの性格・特性についていろいろ情報を共有したりする機会が多い職場なので、ぼくがゲイだと言ったところで、だから何だという程度のリアクションだろうということも感じていました。「〇〇くんに発達障害の診断が出た」とか「△△さんの別れた父親は受刑者だから偽名を使っている」とか、そんな情報と比べたら、職員の一人がゲイだなんて屁みたいなことですよね。


また、自分は早かれ遅かれ、近い将来には転職するということを心の中で決めているので、ぼくがゲイだとカミングアウトしたことで差別されたなら、それまでの会社だったんだなということで、早々に見切りをつけるんだろうなというくらいに思っていました。




とにかくそんな感じの背景があってカミングアウトしたのですが、実は内心かなりビクビクしていました。カミングアウトではどうしても「ゲイ」という単語を使えなくて、「セクシャルマイノリティ(の当事者)」という形でぼやかして話しました。

「ゲイ」という言葉の持つ強さにはまだ正面から向き合えないですね……。

すごく昔にブログに書いたかもしれないけど、以前ゲイが男児をわいせつしたということでゲイに対してかなり強い不信感を持っている業界に勤めていたことがあり、今の子どもと関わる仕事でも「小児性愛者」的なイメージを持たれてしまうことがかなり怖いなという思いをいまだに持ち続けています。

今の職場ではそういった偏見を持つ人はいないだろうなと思っていますが、いつかそのような思想を持つ人が混じってくることも考えられるので、常にカミングアウトには慎重を期したいなと思います。




カミングアウトした結果はというと、カミングアウト前と特に変化はないという感じです。

そもそもぼくは職場でプライベートのことを話すということがほぼほぼなく、基本的に無口キャラなので、カミングアウトしたからといってわざわざ詮索するために話しかけてくる人もいなかったです。
寂しいといえば寂しい結果なのかもしれないのですが、ありのままのぼくを知ってもらい、その上で自由に放っておいてくれる(恋愛や結婚の話をわざわざこっちに振ってこないという)という環境はぼく的にはとても居心地良いなと感じます。


仕事上の付き合いなので、それ以上深い付き合いはしていくつもりもないので、必要最低限のぼくの扱い方を職場の同僚たちに知ってもらえたという点で、今回のカミングアウトはとても有意義だったのかなと思います。


おわり